肺は、肺胞というブドウの房のような小さな袋がたくさん集まってできています。間質性肺炎とは、その肺胞の壁に炎症や損傷が起こり、壁が厚く硬くなるため、酸素の取り込みにくくなる病気です。

間質性肺炎
間質性肺炎
肺は、肺胞というブドウの房のような小さな袋がたくさん集まってできています。間質性肺炎とは、その肺胞の壁に炎症や損傷が起こり、壁が厚く硬くなるため、酸素の取り込みにくくなる病気です。
初期には無症状であることが多いですが、進行するにつれて労作時の息切れや乾いた咳などを自覚します。
など様々です。
診断には、問診(喫煙の有無、家族歴、職業歴など)、聴診による特徴的な呼吸音、胸部レントゲンとCT、肺機能検査、採血により間質性肺炎のマーカー(KL-6)などをまず確かめます。その後はさらなる検査は大学部病院などの専門施設の呼吸器専門医に紹介し精査、確定診断となります。
治療は、まずは原因疾患の同定、治療が大事になりますが、特発性の場合は画像における進行度合いや、6分間歩行試験などにて決定され、抗線維化薬などを含めた治療選択となります。
また、徐々に進行する病気ですので早期発見、早期治療が大事になります。上記に当てはまる自覚症状や健診で画像異常を指摘されたりした方は、まず当院にご相談ください。必要に応じて高次医療機関の専門科に紹介をいたします。
肺とは、肺胞というブドウの房のような小さな袋がたくさん集まってできています。肺炎は、その肺胞に急性の感染性の炎症を起こす病気です。一般的な社会生活を送っている人に起きる肺炎のことを市中肺炎といいます。
肺炎の症状として、発熱、咳、痰、呼吸困難感などの呼吸器症状と、食欲不振、倦怠感などの全身症状があります。
一般的な肺炎において、原因となるのは病原微生物です。
・一般細菌;肺炎球菌 インフルエンザ菌(インフルエンザウイルスとは違います) 肺炎マイコプラズマなど
・ウイルス:インフルエンザ 新型コロナ RSウイルス ヒトメタニューモなど
・真菌:カンジダ アスペルギルス など
肺炎の診断には、胸部聴診所見での特徴的な呼吸音、採血にて炎症所見、そして胸部レントゲンなどにて肺の炎症像の確認をして行います。また、原因微生物の同定にて使用する抗生剤が違ってくるために、ウイルス性なのか、細菌性なのかなど確認するためにウイルスの抗原検査、PCR検査また、一般細菌や抗酸菌などを確認するために喀痰による培養検査などを行います。
治療としては、まず重症度分類を行ったうえで、治療場所の選択と経口抗生剤か点滴抗生剤の選択を行います。その後は原因微生物に応じた抗生剤治療を開始し、治療の効果を観察していきます。
肺炎は予防も重要となります。かぜ、インフルエンザ、新型コロナ感染などのウイルス感染は肺炎の引き金となります。そのために、うがいや手洗い、アルコール消毒、マスクなどは感染予防の観点から大事になります。最近はインフルエンザワクチン、新型コロナワクチンだけでなくRSウイルスワクチンもあります。また、肺炎球菌対しては肺炎球菌ワクチンもあります。
肺炎の治療は早期に対応することが重要です。自覚症状であてはまるものがあれば、是非早めに当院にご相談ください。また、各種ワクチンも揃えておりますので声をかけてください。
慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)とは、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称です。大気汚染、タバコの煙などの有害物質を長期に吸入することで生じた肺の疾患で、喫煙習慣を背景に中高年に発症する肺の生活習慣病です。COPDを発症する人の多くは喫煙者であり、約530万人の患者さんが存在すると考えられています。まだまだ多くの方が未診断、未治療の状態であると考えられています。
典型的な症状は、徐々に進行する労作時の呼吸困難や慢性の咳・痰、倦怠感や疲労感などになります。
診断は問診により自覚症状の確認と、職業、喫煙歴の有無を確認します。問診ではCOPD-Qという本邦で開発された5項目からなる自己採点式スクリーニング質問票が便利です。
・年齢
・咳と痰
・息切れ
・喘鳴
・喫煙歴
の5項目から構成されます。
呼吸機能検査で気道が狭くなっている状態の確認が必要です。また、胸部画像による気腫化の確認、Ⅱ型炎症(注)が強いかどうかなどの確認も必要です。当院では、胸部レントゲン、スパイロメトリー検査、呼気NO検査を行うことが可能です。
治療は、喫煙している場合は、第一に禁煙となり、次に長時間気管支を拡張する気管支拡張薬の吸入が主役となります。症状に合わせて鎮咳薬や去痰薬の処方も行います。また、マクロライド抗菌薬の少量長期投与も検討されます。最近では、運動療法、リハビリや栄養の工夫についても確立されてきています。
治療目標は自覚症状の改善と生活の質の改善、身体活動性の維持と向上になります。将来の急性増悪の予防や疾患進行の抑制も考えることが必要です。
自覚症状が当てはまる場合ぜひ当院に早めにご相談ください。当院では通常の薬物療法に加え、既存治療では効果不十分なCOPD患者さんの一部;Ⅱ型炎症の強い方(注)に生物学的製剤も使用可能です。
(注)Ⅱ型炎症の強い方:アレルゲンや毒素などの刺激を受けた際に体がそれらを排除しようと防御するために起こる反応が強い方。
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