気管支喘息は空気の通り道である気道(気管、気管支)に炎症が起こり、「かぜ」「季節の変わり目」「寒暖差」などのさまざまな刺激に気道が過敏になることで、発作的に気道がせまくなることを繰り返す病気です。

喘息
喘息
気管支喘息は空気の通り道である気道(気管、気管支)に炎症が起こり、「かぜ」「季節の変わり目」「寒暖差」などのさまざまな刺激に気道が過敏になることで、発作的に気道がせまくなることを繰り返す病気です。
夜間から早朝にかけて悪化することが多く、喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)、呼吸困難、咳・痰、喉や胸がつまったような症状が起こります。
診断は、問診、特徴的な聴診所見、気道炎症の確認、アレルゲンの同定、アレルギー疾患の確認、胸部レントゲンによる感染性呼吸器疾患の除外、スパイロメトリー検査、呼気NO検査などにより行います。
治療は重症度に応じて決定されますが、主役になるのは抗炎症を目的とした吸入ステロイド薬です。吸入ステロイドは適切に使用すれば副作用も少なく安全な薬です。
また、吸入薬には吸入ステロイド以外に長時間作用型β刺激薬・抗コリン薬などがあり組み合わせた吸入薬も症状に合わせて使用します。吸入薬や内服薬でも症状が改善しない時には、生物学的製剤という特定のアレルギー原因物質を標的とした治療薬も当院では使用できます。
治療の目標は、患者さんが長期にわたり、炎症をコントロールし自覚症状がなく快適に過ごすことです。当院では、胸部レントゲン、スパイロメトリー検査、採血によるアレルギー検査などを行い喘息の診断を行うことが可能です。上記の症状が認められる方は当院にぜひ一度ご相談ください。
びまん性細気管支炎は、慢性的に咳、痰、呼吸困難感を生じる慢性の炎症性の気道疾患のことです。
1960年以降から治療概念が確立してきているが、東アジア地域の人種特異性が明らかとなり(欧米ではほとんど認められない)、遺伝的要因も強い疾患と考えられている。
典型的な症状は、慢性的な咳、痰で、疾患の進行に伴い労作時の息切れや呼吸困難感を認めるようになります。
診断は、胸部レントゲンで特徴的な所見として、両肺にびまん性小粒状影や、肺の過膨張を認めます。胸部CTにても同様で両肺に
小粒状影をびまん性に認めます
気管支拡張症とは、気道の壁が損傷を受けて、呼吸の管や気道の一部(気管支)が広がったまま元に戻らない状態(拡張症)のことです。
通常、症状は徐々に現れます。主な症状は、咳や痰となります。気道の壁の損傷の状況によっては、血管も一緒に損傷を受けるために血痰や喀血を認める場合があります。また、気管支拡張が広範になってくると、息切れや喘鳴なども認めます。
気管支の炎症や感染が繰り返されるため、気道の清浄化がうまくいかなくなるために、肺炎を併発したり、肺としての機能が低下するために、慢性呼吸不全や肺性心(肺疾患が原因の心不全)を合併したりします。
原因は多岐にわたり、免疫不全、たばこや仕事などでの有害物質の吸入、手術などの物理的要因、遺伝などによる繊毛機能不全などがあります。また、結核、非結核性抗酸菌、ウイルス(RSウイルス、インフルエンザウイルス、コロナウイルスなど)等の気道感染も原因となります。
診断は詳細な問診、胸部レントゲンや胸部CT、肺機能検査、喀痰培養などです。
まずは感染症が併発している場合は、各感染症に対する治療を行います。特に、非結核性抗酸菌症の場合はしっかり加療することが大事である。ウイルス疾患も症状を悪化させたり、急激に呼吸不全を呈することがあるため、ワクチンがあるものに関しては予防に重点をおいてワクチン接種を考慮します。肺炎球菌ワクチンも重要です。
薬物加療ですが、対症療法としての去痰薬、気管支拡張薬などがあります。また、マクロライド系抗菌薬の少量長期投与が症状の改善や増悪の頻度の減少を認めます。
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