2026年8月09日

みなさん、脂肪肝という名前はご存知と思います。
脂肪肝とは、肝臓に過剰な脂肪が蓄積された状態を指します。病理学的には、肝細胞の5%以上に大滴性脂肪滴が認められる場合に脂肪肝と診断されます(日本肝臓学会・日本消化器病学会) 脂肪肝は大きく分けて以下の2種類があります:
アルコール性脂肪肝:多量の飲酒によって生じる脂肪肝
非アルコール性脂肪肝(NAFLD)/代謝機能障害関連脂肪肝(MASLD):飲酒量が少ないにもかかわらず、肥満や糖尿病、脂質異常症などの代謝異常に伴って生じる脂肪肝
特徴 ・自覚症状がないため、知らない間に病変が進行する場合がある
・そのまま放置すると、脂肪肝炎→肝硬変に進行するリスクがある
・食事や運動などの生活習慣の改善が重要である
最近になり、以前使用されていたNAFLDからMASLDへと疾患概念が代わりつつあります。これは、MASLDが単なる肝疾患にとどまらず、糖尿病、脂質異常症などの代謝疾患、心血管疾患(CVD)、慢性腎臓病(CKD)との強い関連性により、疾患を新たに包括する新たな疾患概念である『CKM症候群』が提唱されているからです。CKM症候群は、複数の臓器障害が相互に悪影響を及ぼしうる病態をとらえる枠組みとして、MASLDとの関連もふくめ更に議論されていくと思います。
診断・検査
採血や健康診断などでALT(GPT)が30を超えてくる場合MASLDの可能性がでてくるために、超音波検査など画像検査が必要です。また、採血などでFIB-4 index とういう肝臓線維化の予測スコアも大事です。
具体的にFIB-4 indexは、以下の4つの項目から計算されます。
年齢(歳)
AST(GOT) IU/L
ALT(GPT) IU/L
血小板数(万/μL)
これらは、一般的な健康診断や定期的な血液検査でも調べられる項目です。
治療など
現時点ではMASLDに対する特異的な治療法はありません。肥満がある場合には、肥満による余分な脂肪の蓄積などに対する食事療法、運動療法、行動療法などが基本となり、不十分な場合には薬物療法や減量・代謝手術なども含め包括的に対応していくことが重要です。もちろん、基礎疾患として糖尿病、脂質異常、高血圧がある場合にはそれらに対する基本的治療が大事となります。
健診や採血検査などで糖尿病、脂質異常、高血圧を指摘されたり、AST/ALTの異常値を指摘されたり、エコー検査で脂肪肝を指摘されたりした方は是非当院にご相談ください。腹部エコー(必要に応じてCT)やFIB4-indexなどを確認しながら今後のことを相談していきましょう。