2025年7月21日
呼気NO(一酸化窒素)検査とは、気道上皮から産生され、炎症や感染などにて誘導される呼気一酸化窒素を測定する検査です。特に喘息患者さんの気道では、好酸球などの炎症細胞も関与するため、呼気NOの測定値は高くなります。
各疾患でのおおよその測定結果
高くなる:気管支喘息、アトピー性素因、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、ほうれん草、ゴボウ、レタス
低くなる:喫煙、薬剤(ステロイド)、アルコール、果糖
気管支喘息での呼気NO:
気管支喘息患者さんの気道では炎症細胞(好酸球)などの存在により、呼気NOの上昇は喘息の診断を支持するものとなります。具体的数字としては、呼気NOが22ppbであれば喘息の可能性が高いと言えます。(37ppb以上であれば確実と言われています。)また、吸入ステロイド薬を使用した際に15ppb以下にコントロールされている場合は、気道炎症の制御がされている状態と考えることができます。よって、気管支喘息においては診断の補助ならびに治療のモニタリングに使用することが可能です。また、採血による末梢血好酸球との組み合わせにより、両方が高い結果である場合は直近の発作が多い傾向にあるなどの報告があります。
呼気NO検査は非侵襲的で簡便であり、使用価値の高い検査といえると思います。当院では、呼気NO検査機器を常備していますので、長引く咳の患者さんなど是非ご相談ください。