冷え込みと冬の咳について|上板橋診療所|東武東上線上板橋駅から徒歩4分の呼吸器・アレルギー内科

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冷え込みと冬の咳について

冷え込みと冬の咳について|上板橋診療所|東武東上線上板橋駅から徒歩4分の呼吸器・アレルギー内科

2025年12月21日

秋の冷え込みの時期から冬になると、コンコン・ゲホゲホなど激しい咳や長引く咳に悩まされることが多いと思います。この時期の咳は、インフルエンザなどのウイルス感染だけでなく、他にもさまざまな咳の原因が考えられます。

一概に「咳が出る」といっても、他の身体症状の有無によって考えられる原因は様々になります。ここで、ご自身の健康状態をチェックしながら、咳の原因を考えてみましょう。

1:感染性(ウイルスや細菌など感染性微生物)の咳

冬の寒い時期は、ウイルス性感染の多い時期です。代表的ウイルスとして、インフルエンザウイルス、コロナ       ウイルス(新型コロナウイルスを含む)、RSウイルス、ライノウイルス、パラインフルエンザウイルス、ヒトメタニューモウイルスなどです。これらのウイルスが気道に侵入、感染すると気道の炎症や収縮がおこるため、咳の出やすい状況になります。また、ウイルスの感染に伴い肺炎になる場合があります。この肺炎には2つのパターンがあります。①:ウイルスそのもので肺炎になる場合 ②:ウイルス感染後の二次感染(細菌感染)で肺炎になる場合です。①のパターンは本当にまれで、私は今まで3-4人ぐらいの患者さんしか経験がありません(新型コロナウイルスは除く)。その他は②のパターンが多く、高齢の方、呼吸器疾患のお持ちの方、脳梗塞や心疾患、神経疾患などをお持ちの方は重症化も懸念されます。長引く咳や激しい咳の場合はマイコプラズマ肺炎や百日咳であったり、痩せたり倦怠感などがある場合は肺結核なども考えられます。

2:空気の乾燥 気温の変化

冬の乾燥した空気は、呼吸器の粘膜に直接的なダメージを与えることがあります。呼吸器の粘膜はウイルスや細菌が侵入するのを防ぐバリアの役割を果たしていますが、乾燥によって粘液が少なくなると、その防御機能が弱まります。元々呼吸器疾患や花粉症をもっている方は乾燥対策を普段以上に徹底することが大切です。

また、乾燥した空気はウイルスが感染しやすい環境でもありますので、喉や気管支にウイルスが付着し、咳症状が悪化する恐れもあります。自宅で加湿器を稼働させたり、こまめに水分をとったりするだけでも効果はありますので、ぜひちょっとした心がけをしてみてください。(最適な湿度は40-60%です。前回の私コラムもご参照ください。)睡眠時には、無意識に口を開けて寝てしまうこともありますので、市販の濡れマスクや口を閉じるテープのようなものを活用するのもおすすめです。

日々の寒暖差(前日から3℃以上の低下)や、朝晩と日中の気温差(5時間以内に3℃以上の低下)などの気温の変化は、気道(空気の通り道)に刺激を与えます。冷たい空気を吸い込むと気道が一時的に収縮し、敏感な人では咳が出やすくなります。また、乾燥も重なると粘膜が刺激され、咳反射が強まります。

さらに、気温の変化によって自律神経(交感神経・副交感神経)のバランスが崩れやすく、気道が過敏になり咳が出ることもあります。これは喘息やアレルギー体質の人で特に起こりやすい現象です。

3:ハウスダストやカビ、花粉などの吸入アレルゲン

カビは夏の高温多湿の条件で繁殖しますが秋にはいったんエアコンの使用しない時期があります。冬になり再びエアコンを使用するときにそのカビが室内にアレルギー物質として広がってしまう恐れがあります。また、寒いからとついつい窓を開けずに過ごしてしまいがちですので、ホコリなどのハウスダストが冬は溜まりやすくなります。

また、もう一つ夏に繁殖するのはダニです。夏の暑い時期に繁殖したダニは、秋に寒くなると死んで死骸となりハウスダストになります。ベッドのマットレスや布団などを掃除機を使用したり、布団を干したりしていない場合はハウスダストとして溜まっていきます。そのハウスダストを吸入することによって咳になることがあります。特に喘息やアレルギーを持っている方は要注意です。

以上が冬に咳が多くなる3つの理由となります。当院では1-3の状況も踏まえた上で丁寧な問診、診察と、必要な検査を行い診断を進めていきます。秋の冷え込みから継続する咳や、冬になってからの咳などでおお困りの方は是非当院にご相談ください。

 

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