2025年10月13日
アトピー咳嗽とは、8週間以上継続する喉のイガイガ感を伴う持続性の咳嗽で、下気道(中枢性下気道:直2mm以上)の炎症に伴う咳のことです。
咳の特徴は
・乾性咳嗽であり、痰は伴っても少量
・咳は、就寝時、深夜から早朝、起床時に多い 喘息に似ている
・喘鳴や、呼吸困難などは認めない 喘息とは異なる
・咳は、エアコンの風、会話、たばこの煙、精神的緊張などにより誘発されやすい
・アトピー素因(喘息以外のアレルギー疾患、末梢血好酸球上昇、血清総IgE上昇、特異的IgE陽性)を認める
・呼気NO(一酸化窒素)検査は正常範囲である
などがあげられます。
診断は、詳細な問診と聴診、採血検査、呼気NO検査などにて診断し、気管支拡張薬が無効です。治療は、抗ヒスタミン薬投与や吸入ステロイド薬などです。また、最近発売された、P2X3受容体拮抗薬が有効との報告もあります。
咳喘息との病態は異なりますが、鑑別診断は難しいため、呼気NO検査や治療で気管支拡張薬が有効であることが大事です。また、喉頭アレルギーとは病態がオーバーラップしていることが多く、治療も似ています。今後の研究によっては同じ疾患になるかもしれません。
当院では、慢性咳嗽に対して、詳細な問診、咽喉頭の所見、胸部の聴診、胸部レントゲン、スパイロメトリー検査、呼気NO検査などにて丁寧にあきらめず診断していきます。また、治療においてもP2X3受容体拮抗薬の処方経験も豊富です。上記でお困りの方は是非当院にご相談ください。